年金2000万円不足問題

いくつかの論点についてのメモ

  • 現在の平均的年金受給者が年金以外に貯金を取り崩して使っていること。最低限の生活を年金が支えていて、あとは各人が自分の資産に応じてお金を使っていることを示している平均的な姿を示しているのであって、「年金だけでは不足している」というのは当たらないと思われる。最低限の生活は、広い範囲の人で合意できる基準があるかもしれないが、それ以上に生活を楽しみたい人が資産を活用しているのは、別に悪いことではないとも言える。
  • 年金が世代間の所得移転になっていることにより、年齢構成の変化により不公平が生じる。
  • 年金の運用で損を出しているために、給付が少ないと思う向きがある。
  • 株式による運用が気に入らない人々がいる。
  • 政府が年金の制度としての持続性について述べていることを理解していない向きがある。
  • 審議会の報告書が伝えたいこと(現在の受給者程度の余裕のある生活をしたいなら若いうちからの資産形成が重要)と、年金の適切な水準の議論をどうすべきか、という論点は噛み合っていない。
  • 若いうちから資産形成するなら2000万円はそれほど高いハードルではないのでは?
  • 以上の論点と、麻生大臣の態度が不遜である、報告書を受け取らないのはおかしい、麻生大臣には庶民の気持ちがわからない、といった不満は直接は関係ない。