以下のような記事で、格差が問題にされている。
この記事をみて思うのは、貧困層36億人が自分たちで、より平等な経済圏を作ればいいではないですか?なぜそうしない・ならないのでしょうか?より議論を簡単にするために、比較的自由に経済活動を行うことができる日本国内に限定して考えてみましょう。
上位1%といわれる、例えば、ソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんは自分でビジネスを起こしてお金持ちですが、かれらが残りの人を貧困にしているわけでもなく、むしろ雇用を創出して豊かにしている部分が大きいと思うのです。
ここで思考実験をしてみます。もし、日本の上位1%の人以外の残りの99%の人で経済圏を作って、そこでより平等な経済活動を行えばどうなるのでしょうか?より気前のいい給料をはらうホワイトな会社を作り、保育園を経営し、自然エネルギーを開発し、理想の社会が作れるのではないでしょうか?
なぜ、そうならないか?(いや、実は現代は、有史以来もっともましな社会が実現しているんですよ、というのがロスリングの『ファクトフルネス』の言いたいことです。)
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
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結局残りの99%の中でも、創意工夫によりビジネスを起こしてお金持ちになるひとが出てきてしまうからではないでしょうか?自由な経済活動が保証されているもとでは、どうしても創意工夫、情熱、体力、コネクションなどに勝る人たちが収入を集めてしまうのではないだろうか。そのような仮説はもっともらしいのではないでしょうか。
ここから導かれる結論は、現在でより平等な社会を目指すには、各個人が創意工夫により富を増やして自分が分配するしかない、ということです。自分は創意工夫しない、ほかの人がリスクをとって起業した会社で、少ない給料で安定してはたらきたい、自分は少ない給料から分け与えたり、投資したりしない、そういう人ばかりでは、社会全体としてじり貧になりそうです。
なんだか自己責任論的な発想のように見えますが、残り99%の人たちの中でもやはり持てる人、恵まれた人は分配を求められる側となるべき、ということだと思います。